言ってもやらない部下について
「○○するように」と伝えてもやらない部下。
上司は、
あいつはやる気がない。
と思う。
僕が研修をしていても、スタッフのやる気がない。
ということについて、よく相談を受けます。
浅井さんの過去の講演で、教えていただいた話が
参考になるかもしれませんので、
シェアーさせていただきます。
自分は言われたことをやっているのか?
言われた以上にやっているのか?
言われたことに対して、自身の成長のチャンスだと捉えて、
前向きに取り組んでいるのか?
と考える必要がありそうです。
浅井さんの考え方のひとつに、
物事は思い通りにいかない。
という考え方があります。
自分の思い通りに部下が動いてくれたら
苦労はしません。
(本当になんでも思い通りになるのがいいかどうかは
別にして)
リーダーの役割とは、
能力がない、やる気がないと嘆くのではなく、
やれるようにサポートすることです。
言ってもやらないこともあるし、
やれないこともある。
それは当たり前であるとまず考える。
人はそんなに強い人間ではないと考える。
そして、
どうしたら、部下が動けるようになるのか?
やりたくなるのか?
達成感を味わえるのか?
仕事を楽しめるのか?
知恵をしぼって考えるのが
リーダーの役目です。
ここで考えていただきたいのですが、
部下が言われたとおりに動かなかった時、
(動けなかった時)
何時間くらい、その部下がやれるように
知恵を絞ったでしょうか?
何時間くらい、部下のために時間を使って
額に汗をかき、考えたでしょうか?
むむぅ~~~~~
カタカタとこの文章を打ちながら、
自分はぜんぜん、時間を作っていないなぁーと
反省中・・・
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ある営業所の所長たちが、
部下の営業成績をデーターのみで見ている。
データーのみで判断しているのを見た時、
浅井さんは考えたそうです。
営業所長たちも、
現場に出向く必要があると。
(ここでいう営業所とは、コンビニなど、
煙草を置いてあるところ)
営業所長たちに、
「君たちもたまには、現場に出向いたらどうだ?」
と言うこともできますが、
それでは動かない人もいる。
営業所長たちが現場に出向くために、
どうしたらいいと思いますか?
考えてみました?
「営業先(現場)を案内してくれませんか?」
と言ったそうです。
営業所長たちは、凍りつき、
(だって、部下がどこに行っているかあまり知らないから)
必死で部下たちに、
「お前が営業に言っている場所を教えてくれ!」
と頼んだそうです。
そして、営業所長が浅井さんとともに、
部下たちが回っていた営業先に出向きます。
ここで、営業所長はたくさんのことを学びます。
なるほど、部下のA君が悩んでいたのもわかる。
このコンビニの店長は確かに怖いなぁーとか。
また、
「わざわざ営業所長さんが挨拶にきてくれるなんて」
と喜ばれた時もあったそうです。
データーではなく、
現場の真実を大切にしている浅井さんだからこそ、
営業所長さんたちにも、
現場に行ってもらいたかったのだと思います。
結局やっていることは、
営業所長たちが現場に行くように、
「案内してくれ」と回りくどい言い方をし、
浅井さんの思い通りに動くように誘導したのかも
しれません。
しかし、そこに愛情や仕事のやりがいを感じて欲しい。
自分たちのお客さんがどんな人なのか?
どんなことに喜び、どんな悩みを持っているのか?
自身の目で見て欲しい。
そういった気持ちが根底にあって、
所長さんたちに指示をしたのだと思います。
動かざるを得ない、状況を
作ってあげたのだと思います。
ある本に書いてあったのですが、
相手のためを思って遠まわしに伝え、
行動させることは、
誘導
ではなく、
招待
というそうです。
部下が動く状況をこちらが用意する。
そういった考えに対して、
「いや、そんなことこちらがしていたら、
部下が育たないし、自分で考えなくなります」
という考え方もあるかもしれません。
しかし、僕は、
そういった考え方は、人の成長を点でしか
とらえていないと思います。
一度や二度、こちらが手を差し伸べたからといって、
成長を止める人なんていないと思います。
お客さんの喜ぶ顔を見て、
お客さんと話をして、時には感謝されたならば、
人は勝手に動くと思います。
すぐには変化が起こらないかもしれませんが、
信じ続けるのがリーダーの役目なのかと
思いました。
手前ミソですが、浅井さんの考え方を学んだ私は、
とある研修で、受講者が動かざるを得ない、
仕組みを用意しました。
決して、研修依頼者の思い通りにコントロールしようと
思ったわけではなく、
受講者の方々の成長を願って、少し厳しい
仕組みを用意しました。
結果・・・
当初の想像をはるかに超える、成果を出されました。
こちらはほとんど何も教えていない研修にも関わらず、
受講者は自ら様々なスキルを学び、
チームを作り、自分たちの力で成長していきました。
こちらが相手のことを真剣に考え、知恵をだし、
成長のチャンスを作り、信じ続ける、支援し続ける。
精神論に聞こえるかもしれませが、
見事に変化していく姿を目の当たりにしました。
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